2006年02月16日

外国政府によるインターネット検閲に関する米国内の反応

 国内的な要因がないと外交的リアクションも出てこないというのは米国に限った話では無いし珍しくも無い。だが、この件はいかにもその典型であるように思われる。米国務省は外国政府の自国内のインターネット検閲に対しこれを緩和するための努力として委員会を設置したことを発表した。これは米国企業の中国内での活動が米国内で問題になっているのが主な背景である。

 国務省の発表はこのような内容だ。(参照)理念的なものが先行している感があるが、より国内的な贖罪の要素が強いようにも見受けられる。米国を代表する会社が専制政治の手助けをしているという批判は日本人の考えている以上に強い。具体的に言うとGoogle,Yahoo,Microsoft,Cisco Systemsの4社が矢面に立たされており、ちょうど今頃議会に呼び出されていると思うが、米国では針のむしろ状態らしい。

 普段から保守的な論調で、国内的なカラーが強いと思われるChicago Tribuneのこのコラムは多少雰囲気を伝えているかもしれない。(参照2,要登録)特にYahooの提供した情報が投獄に結びついた件はもう大騒ぎのようだ。この手の問題の関連リンクはあちこちで作られているだろうから省略する。これが中国だけの件ではなく、イランがBBCのペルシャ語サイトへのアクセスを禁止した件も相乗効果となって、政治的争点に浮上しているという構図であろうか。チェイニーの誤射の件の批判もかわしたいだろうし、政府は何かをしなければいけなかっただろう。政府は中国政府に宥和的だが議会は厳しいというのは昔からだが、それでも物事に潮目というのはあると思う。この件、後から振り返ると大きな出来事だったと振り返られるのかもしれない。

 今回、国防戦略の見直しの件も重なったが、それにしても中国の「米国は対中戦略がバラバラ」というこの発言はいかにも奇妙だ。中国の首脳は決して知能の低い人達では無いのだが、にもかかわらず国内的な発想で外国を見てしまう性癖からは逃れられないのかもしれない。もちろん中国に限った話ではない。民主主義国は国内意見がバラバラなのは当たり前で、マジョリティの形成過程こそが要であるというだけの話なのだが、この当然の事実が伝わる国は余りにも少ないようだ。
posted by カワセミ at 01:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界情勢一般
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