2005年05月04日

集団的自衛権の議論でがっかりしたこと

 日本の集団的自衛権の行使に関しては様々な議論がある。色々な意見があってもいいのだが、責任政党と目される自民党と民主党には現実的な議論を期待したい。しかしこのような意見のやり取りを聞いてすっかり意気消沈した。曰、「日本周辺なら良いが地球の裏側までは行かない」だそうだ。ふざけるな、冗談ではない。
 これは世界における日本の位置付けを考えると容易に理解できる。この種の議論が成立するのは、例えばブラジル、ナイジェリア、南ア、あるいは少し前までのインドや中国といった地域大国である。日本は世界的な経済大国で、全世界にその利害を有している。日本の商社マンは世界中を飛び回り、日本の資産は全世界に存在する。そして集団的自衛権を行使する際は、日本は海・空軍力の提供が主な任務になることも容易に推察できる。どのような観点から考えても全世界が潜在的な対象なのである。もちろん結果的に日本周辺が主な活動範囲とはなるだろう。しかし原則がそれではお話にならない。
 イギリスとフランスはさすがにまともなのか、北朝鮮の核武装が自国の安全保障の筆頭級の問題と認識している。イラク派兵でもめたフランスも、北朝鮮なら無条件に参加と言った事がある。日本は中東地域に関して同じ意識を持てるだろうか。それに現代における安全保障の問題は常に全世界で関連がある。朝鮮戦争の時代でさえ、米国の朝鮮半島の派兵で欧州が脆弱になると英国は青くなっていた。世界的にある一定以上の深刻さを持つ問題が発生した時には、G7+オーストラリアくらいの国は何らかの態度表明と対処が必須である。繁栄を支える条件は案外脆弱であり、繁栄している国はその事に敏感でなくてはならない。国連の常任理事国になりたいのならなおさらだろう。
 その意味でアメリカが日本に対して「グローバル・パートナー」という表現を多用し、地域限定的な表現があまりないのは本質を良く分かっているといえる。アーミテージ氏によると、「全世界的な政治影響力を持つ国はアメリカを筆頭にイギリス、日本、ロシアの4ヶ国」だそうだ。個人的には仏独が入りロシアが抜けるとは思うが。仏独軽視は国防総省筋だけではなかったのかそれじゃ揉めるよなとも思ったがそれはまぁ余談である。
posted by カワセミ at 21:58| Comment(4) | TrackBack(0) | 国内政治・日本外交
この記事へのコメント
与野党の話し合いの前後の脈略が判らないので、断定的なことは言えないが、どうも集団的自衛権を個別自衛権の延長ないし補完として捉えられているのではないでしょうか.集団的自衛権は、戦後国際システムの根幹である集団te的安全保障概念の核心部分だと、この分野の素人の私でさえ理解するんですがねえ.権利としては、国連加盟国なら(地域的制約なしに)すべての国が持っている権利と理解しますが、どうなんでしょう.それとも同盟関係やその根拠条約(安保条約)に制約されるものなんでしょうか.私は、理論的には優先すると思うんですが.誰か教えていただきたいですね.
Posted by M.N.生 at 2005年05月06日 16:58
国際法は国内的な意味のような法ではありませんし、そうだとしても少なくとも大陸法的ではなく英米的な帰納的に決定された法です。つまり修正項だらけですね。
ただいずれにせよ、国内の法を理由として条約履行を拒絶することが出来ない原則は変わりません。むしろ国内法を整備する義務があります。それが出来ないならそもそも矛盾する条約を結んではいけないという話です。「憲法に書いてあるから出来ない」ではなく、「憲法に書いてあるように我々はやらない」と言うべきでしょうね。もっとも日米安保は義務規定を細かく規定してはいませんが・・・・

いずれにせよ、日本の集団的自衛権は「守られるほうは」今でも世界的規模で行使しています。自分から行動するのがどのようなものであるべきかは自明かと。
Posted by カワセミ at 2005年05月06日 23:42
取りあえず日本近海のみの集団的自衛権で良いのでは?
全世界対象にすると中韓朝が敏感に反応し改正も出来なくなるでしょうし。
段階を踏んで徐々に自衛権の拡大で良いと思います。
Posted by NN at 2005年05月07日 14:25
あのー、このエントリを読んで言ってるんデスカ?
Posted by nh at 2005年05月07日 15:08
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